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非常に音のバランスの良いホールでした。内装は美しい可愛らしいデザインで纏められていました。
出演者は世界中からこの音楽院に学びに来ている若い音楽家です。各種楽器演奏のレベルの高さに驚嘆しました。さらにひたすらな演奏に新鮮さと元気なエネルギーを感じ楽しめました。
武本 毅
ホール内部の印象 このホールもサンクトペテルブルグの大ホールと同じように客席を石の円柱が取り囲んでいた中段からなので柱の長さはそれより短かったが宮殿のように豪勢で立派だった。 客席の形状が四角形なのを見た時に少し不安になった。巾に比べて奥行きが短すぎるのである。この形状はコンサートホールでなくて多目的ホールの形状なのだ。客席の中段から下の壁と奥の壁はクロスだった。木下地にクロスを巻いたパネルが両サイドも後部も張られていた。 ホールの視聴 演奏はチェコフィルでドボルザークの聖歌とストラビンスキーのバレエ組曲等だった。オーケストラ もバスのソリストもそれなりに良く素晴らしかった。 それなのに聴こえる音が豊かでなく私にとってはもったいない歯がゆさを感じた。それは音には直接音と反射音があるが直接音はどのホールでも殆ど同じであり、違うのは反射音である。良いコンサートホールでは綺麗な反射音が個々の聴衆に十分届き後方に消えてしまうのが理想だ。このホールの一番の問題は両サイドの壁の美しいクロスだと思う。クロスは吸音材としては有効であるが反射材としては全く良くない。それは表面が滑らかでない事と下地の木からの反射音まで吸収するため綺麗な反射音にはならない。さらに会場が横に広いので量的にも反射音が足りないのだ。 天井が円形の模様が見事に画かれている、ホールを宮殿の大広間的にデザインしていくうちに円形天井にしたのだと思う。理由は別として良いコンサートホールの条件としては巾と奥行きの比率が非常に重要なのだと感じた。
プラハの印象 昼間プラハ城まで散策した。高台からの街の眺めは評判通り美しかった。帰り道はカレラ橋を通り聖人達の像と出店を楽しんだ。ドナウ川がゆったりと流れていた。幾多の戦いを経験して今の平和を築く変遷を見てきたのだろう。スメタナのわが祖国は美しい素朴な音楽で私の好きな曲の一つである。これはモルドウ等の作品集であるが時代の変遷の中で祖国への希望や思いを美しく画いたのだろう。翌朝演奏会場の売店に行き思い出にそれの最新CDを買った。
E 楽友協会大ホールの試聴 2012年10月20日(土) 武本 毅
シューボックスタイプのホール
コンサートホールの音の良い形状の一つとしてシューボックスタイプ(長四角の箱型)が挙げられ、このホールがその代表になっている。そして確かにビデュアル的にも音響的にも素晴らしいホールである。しかし形だけ真似してもこのホールの様にはならない。前回見学したがこのホールの地下には 4つの形や仕様の違う研究用兼練習用ホールが増設されている。そこで積み重ねられたものやウィーンの音楽的文化の集大成があってこのホールが出来上がってきて、そして絶えず音楽空間を向上させていることは素晴らしいことであり敬服させられる。
F ウィーン コンサートハウス大ホールの視聴 2012年10月21日 武本 毅
現地調達チケット ウィーン交響楽団の本拠地であるコンサートハウスの音を聴きたくネットで探した。たまたまハリウッド・イン・ビエンナ(フィルムコンサート)が日曜日に上演予定になっていた。観光ガイドではこのホールは各種の音楽が上演される会場であることが書かれていた。私自身はフィルムコンサートを聴いたことはなかったがなんとなくアメリカ的ショーをイメージした。チケットはネットでは居住者でないので買えなかった。前日に会場に行ったが土曜日のため券売り場は開いていなかった。それでも興行前45分前に開くと言うドイツ語の案内を見つけ当日購入した。
フィルムコンサート 演奏はウィーン・ラジオ・オーケストラだった。場内はスポットライトが光の束をステージだけでなく会場全体に投げていた。舞台はかなり広いがフルオーケストラと合唱隊・6人のソリスト等で一杯になっていた。舞台奥上部にスクリーンがありそこに映し出された映像に合わせてオーケストラや合唱が演奏された。大規模で大音量のアメリカ的ビッグショーが繰り広げられた。
ホールの視聴
ホールの形状は間口も広いが奥行きも天井高もありかなり大きな空間が造られていた。両サイドは石の列柱が豪華さを象徴するかのように並んでいた。そして壁は腰の部分が石でその上が布巻の木パネルだった。舞台の奥は棒状の金属?が並んでいた。 問題の音響であるが舞台奥壁からの綺麗な反射音はなく、サイド壁からの綺麗な反射音も無いのだが残響はかなり残り騒がしく聴こえていた。天井もかなり装飾されていたがそれからの反射音は天井が高いせいか全く問題ないように感じた。 総体としてコンサートホールとしては非常に豪勢で立派でありビジュアル的には素晴らしいのであるが良い音が強調されずあまり綺麗でない残響が残ってしまうホールに感じた。このショーにはそれが合っているのかも知れない。
新分野のコンサート興行
このホールは色々なジャンルの音楽の興行に使われていると書かれえていたが今回のフィルムコンサートもその一つなのだろう。客席はかなり埋まっていて興行的には成功しているようだ。新しいジャンルの音楽をトライし、それでこれだけの聴衆を集めているのは素晴らしい。ネットでチェットを購入できる時代になり興行の仕方も進化している。色々な良い面を組立て有効に活用することが大切なのだろう。